A:
97ページにあるように、完全に歌えるスケールをスケールの途中から歌い、同じことをハミングでうたう。
次にハミングと同じ音階でDoから歌うという方法を薦めます。
例えば、ドリアンの場合は「Re , Mi , Fa , Sol , La , Ti , Do , Re 」と歌い、「ハミング」、
同じ音階で「 Do , Re , Me ,Fa , Sol , La , Te , Do」と歌います。
この方法は楽器がなくてもどこでも練習ができます。
半音が十分にコントロールできるようなら、Doから歌った後楽器でチェックするだけでいいでしょう。
録音をしてみるのもいいかもしれませんが、あまり効率的ではないように思います。
Dm7 G7のツーファイブでD A G D というラインがあったとします。移動DoでとらえるとRe La Sol Re となります。 しかしベースラインを考えるとき各コードのルート、三度、五度と認識しているので、移動Doでやるとその関係性が見えにくくなる気がしています。各コードごとに移動Doでとらえるとわかりやすいのですが、それだとコードごとに転調してしまうので忙しないです。ご意見をお聞かせください。
A:
質問は「ベースラインも移動ドでとらえるのか」ということですが、それはベースラインをどのように考えるかによって変わってくると思います。
ベースを完全なリズム楽器と考え、使う音はコード音とその経過音、というコンセプトのラインの場合は確かにそのとおりかもしれません。(この場合でも慣れてくると、Re La Sol Reは IIコードのルートとP5th、VコードのルートとP5thという感じにとらえられると思います。)
A:
コードに関してはコードネームが分かればコードのルートをDoとする歌い方とその絶対音は分かるし変わらないので難しく考えることはないです。例えばKey of FでBbmaj7がある場合、移動ドで Fa La Do Mi ですが、コードの構成を考えた場合はDo Mi Sol Ti でもあるということです。Doからコードが歌えて、例えばBbmaj7 の Do = Bb, Mi =D, Sol =F, Ti =A を理解していれば、問題無いです。
(追加説明)Do Me Fa Sol Te ( 1 , b3 , 4 , 5 , b7 )というマイナー・ペンタトニックのメロディーが Do , Mi , Sol ( 1 , 3 , 5 )のメジャーコード上で歌われ、Do , Mi , Sol , Te ( 1 , 3 , 5 , b7 )というセブンス・コードが生まれたと考えられています。同様にIV7は、Fa , La , Do の上にマイナー・ペンタトニックの Me が加わりました。
Q: 今日から転調の項をやり始めました。 103ページのAll the things you areについてですが、5小節目からのDbmaj7-Dm7-G7というところで転調はDm7のところから始まっていると思うのですが、ソルフェージュは2拍先行してDbmajの3拍目から転調先のキーで歌っていますが、先行しているのはなぜでしょうか?
(Picardy 3rd とはクラシック音楽の伝統で、マイナー・キーの曲が最後にメジャーで終わることをいいます。Cole Porterが好んで使っています。例:What is this thing called love? ジャズではそのイミテーションでマイナー・コードがメジャー・コードに変わることもあります。)
ここで E-7 が Emaj7 に変わったのは、モードを変える以外に大きな意図があります。それは(G:)から(Ab:)への転調をスムースに移行させるためだったと考えられます。ボイス・リーディングVoice Leadingを使った転調で巧妙にできています。
Emaj7 – C+7 – F-7 の構成音は (E G# B D# ) – (C E G# Bb ) – (F Ab C Eb ) で、G# – G# – Ab は同じ音で3つのコードの共通音です。それぞれの M3rd、+5th , m3 です。これでEmaj7になった理由、C+7の理由がわかると思います。更に隣同士のコードとはもうひとつ共通音があります。
ジャズ進行はほとんどが4度進行なので、私は Ti Mi La Re Sol Do Fa と、コード進行もよくソルフェージュで覚えます。 それで4度進行以外のところは理論で覚えます。
この曲の場合は、La Re Sol Do Fa=Ra Re Sol Do=La Re Sol Do Fa ———-という感じです。
ダイアトニック4thサイクルなので、そのままLa=VI-7 Re=II-7 —–なので分かりやすいです。
この曲は頻繁に転調しているのにあまり違和感がありません。それはピボット・コードなどを使って転調箇所をきれいにつないでいるからです。