知っている曲をソルフェージュで歌う

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Q:
練習時の音の感じ方について、以前にも似たようなことをお聞きしたのですが、転調や苦手な音程を歌うときがうまくいかず、キーに対するDoの響きと前の音からの度数関係を意識できた方が良いとおっしゃっていたかと思うのですが、やっぱりなかなかできず、色々と思考錯誤しているのですが、まずは歌詞で歌う時のように流れで覚えてしまってもいいのでしょうか?

例えば、良く知っている曲なら音程を意識しなくてもある程度歌えるかと思うのですが、歌詞で歌うときのような感じで流れを覚えてしまって、それを移動ドの階名で歌いこみ(この段階では単に歌詞を階名に置き換えただけで、音程は意識していない状態)、そして覚えたら各音程を細かく意識していくという方法はどう思われますか?

音程を無視して流れで歌うのはあまりよくないと思われますか?
理想を高く持って最初から全てを意識して…という意気込みでやっていたのですが負荷が高すぎてすぐに嫌になってしまいます(苦笑)。
初心者〜上級者になる過程で具体的にどのような意識、感じ方、または練習方法をしていけばいいのでしょうか?
ご自身の経験からこんな風だったというのを教えて頂ければ大変助かります。

A:
ソルフェージュの原理は、音の高さを言葉に置き換えてそれを覚え込み、そのあと言葉を歌うことで音の高さを再生する。ということなのですが、ダイアトニックな7つの音の間の上行のインターバルだけでもことば(ソルフェージュ)との関係は40ほどになります。臨時記号が入った12音ソルフェージュでは、フラット系とシャープ系、更に下行も入れると大変な数になります。これらを全て数年でマスターするのは相当な努力が必要です。

苦手な音程とはあまり使わない音程だと思います。使っていない音程はあまり練習していないということなので困難なのは当然です。転調はかなり難しいです。 しかし、よく出てくるインターバルや Me とか Te のソルフェージュは結構早く歌えるようになったのではないかと思います。

よく知っている曲を音程を意識せずに階名で歌うということですが、基本的にはそれでいいと思います。しかし、練習の基本である「ゆっくりから始める」場合は、意識もできると思います。私が思う意識とは、前の音とのインターバルが何度とかいうことではなく(最初はそれも必要だが、慣れてくると何と何の間のインターバルは何度かということは覚えてしまう)、何の音からスタートしているとか、どの音からどの音に向かっているとかのメロディーの構造のことです。「ソルフェージュで歌うことはメロディーをアナライズしていることになる。」ということを言っています。

私の場合、曲を練習する時は知っている曲も全てソルフェージュで歌って覚えることからスタートします。その時改めてメロディーの構造で新しい発見をすることがよくあります。知っている曲をソルフェージュで歌い直すことで、効率よくいろいろなインターバルを歌い込むことができ、曲も正確に覚えられます。

ソルフェージュを始めて、効果を感じているという報告を少しずつ頂いています。
半年されて効果を感じておられるなら、後はあまり焦らずに数をこなすことだと思います。あるとき今までできなかったことが急にできるようになっている、そういう自分を発見した時の喜びをたくさん経験してください。

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