Q:
先日ジャズソルフィージュの本を購入させていただき、、その体系的・実践的内容に「これだ」と思いました。
チャプター2の14ページをウロウロしているのですが、一日30分では足りないでしょうか?
毎日、どのくらい練習するものなのでしょうか?
もちろんたくさん練習すればするほどよい、ということなのでしょうが、目安が知りたいです。
このページが完璧にできるまでは先へ進むべきではないでしょうか?
トップダウン方式で先へ進んでいるうちに、このページもできるようになる、ということはないのでしょうか?
A:
ご質問の練習時間の目安ですが、音楽歴などの個人差が大きくて数字として出すのは難しいです。
当たり前のことですが、たくさん練習したほうが早くできるようになることは事実です。
こんな回答では当然ご不満と思いますので、もう少し有用な回答を書きます。
音楽練習全般に言えることですが、音楽能力の習得は英語などの習得とは明らかに違うと感じます。
これは私自身の経験であって、一般的に認知されていないと思うので本には載せていません。
一部のミュージシャンの賛同は得ました(下の2)が、大脳生理学的にも推測の域を出ていません。
1)少しずつダラダラと練習してもほとんど進歩しないということ。
(練習時間を合計してもそれに見合った進歩は得られないです。)
2)一定の閾値(個人差有)以上の練習をすると、ある時急に上達していることに気がつく。
(ある時、急に上達します。階段状に上達するので1. の人との差はどんどん開いていきます。ほとんどのミュージシャンは人生の一時期、「死ぬほど練習」を経験しています。)
3)練習結果が現れるのに1週間以上かかる。
(大脳の海馬に一時蓄えられたものが一定期間後に大脳の各所に運ばれネットワークを形成する、と考えられているようです。)
以上のことを考えると、練習は、練習時間を決めないで、練習できる時は何時間でもやる。
ソルフェージュは楽器がなくても、声に出せなくても(サイレントシンギング)できるので、練習については工夫してください。
楽しんでやるのはもちろんです。
できない日は全くやらなくても構いません。
私の経験ですが、全く楽器練習を1週間近くしなかったのに、
再開したとき、今までできなかったことができるようになっているのを発見してうれしくなったことがあります。
完璧にできなくても前に進んで問題ありません。
ただし、また前に戻ってください。