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ブルースの歌い方

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Q:
ブルースはドミナントコードを基調にしていますが、これはトニックとして捉えるべきなのでしょうか。
あるいは、Iに行くV7コードとして考えるべきなのでしょうか。
それによりドレミの歌い方も自ずと変わると思いますが、いかがでしょうか?

A:
ブルースコードは、I7(トニック)とかIV7(サブドミナント)であり、それはドミナントコード(V7)ではありません。
例えば、FブルースではF7から始まっていてもそれは I7で(調はF)、FをDoと歌います。
ブルースは黒人がアフリカから持ってきたマイナーペンタトニックのメロディーとアメリカで出会ったメジャー・コードが合わさって生まれた特殊な音楽で、そういうコードが生まれました。

(追加説明)Do  Me  Fa  Sol  Te ( 1 , b3 , 4 , 5 , b7 )というマイナー・ペンタトニックのメロディーが Do , Mi , Sol ( 1 , 3 , 5 )のメジャーコード上で歌われ、Do , Mi , Sol , Te ( 1 , 3 , 5 , b7 )というセブンス・コードが生まれたと考えられています。同様にIV7は、Fa , La , Do の上にマイナー・ペンタトニックの Me が加わりました。

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「転調を歌う」ーAll the things you are のアナライズ

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Q:
今日から転調の項をやり始めました。
103ページのAll the things you areについてですが、5小節目からのDbmaj7-Dm7-G7というところで転調はDm7のところから始まっていると思うのですが、ソルフェージュは2拍先行してDbmajの3拍目から転調先のキーで歌っていますが、先行しているのはなぜでしょうか?

他の曲でもメロディーが休符なしで続いてる場合は転調先を先行して歌うのでしょうか?
また、21小節目のGの関係マイナーであるEmに・・・という説明がよくわからなかったのですが・・・
こちらの本ではマイナーに転調した場合にはマイナーキーのⅠの音をDoとして(この場合EをDo)読む方法を勧めていたかと思うのですが、ここではGをDoで歌うのはなぜでしょうか?

最期に前回の質問で曲をソルフェージュで覚えるとおっしゃていたかと思うのですが、コード進行もソルフェージュで覚えるのでしょうか?
その場合はどのように覚えるのでしょうか?
まずはルートをソルフェージュで追って、ルートをDoとして歌うチャプター6の方法で覚えるという方法ですか?

A:
最初の転調はジャズに多いピボット・コードPivot chordを使った転調です。ピボット・コードとは元のキーと新しいキー共通のコードで、2つの機能をもっています。ここのDbmaj7 はピボット・コードで、 Abキー(以下(Ab:)と略します)のIVmaj7と (C:)の bIImaj7の2つの機能をもっています。

( bIImaj7 は、ナポリタン・コードといわれるもので、18世紀のイタリアのオペラの作曲家が好んで使いました。ドミナントコードの前に置いて終止形を華やかにする効果があります。ジャズでは bIImaj7 – II-7 – V7 という形で多く見られます。)

9小節目の C-7 もPivot chord です。Cmaj7 がモードが変わって C-7 ( I-7 )になり、次の(Eb:)のVI-7 という2つの機能をもっています。

F#-7(b5) – B7 – Emaj7 – C+7 – F-7 の項は (E:)に転調したとも考えられますが、B7まではマイナーコードに向かうII-7 – V7 なので E-7に向かおうとしてた訳ですね。E-7は (G:)のVI-7なので、ここは転調していないと考えることもできます。E-7はピカルディーの3度Picardy 3rdでメジャーに変わったと考えられます。

(Picardy 3rd とはクラシック音楽の伝統で、マイナー・キーの曲が最後にメジャーで終わることをいいます。Cole Porterが好んで使っています。例:What is this thing called love? ジャズではそのイミテーションでマイナー・コードがメジャー・コードに変わることもあります。)

ここで E-7 が Emaj7 に変わったのは、モードを変える以外に大きな意図があります。それは(G:)から(Ab:)への転調をスムースに移行させるためだったと考えられます。ボイス・リーディングVoice Leadingを使った転調で巧妙にできています。
Emaj7 – C+7 – F-7 の構成音は (E G# B D# ) – (C E G# Bb ) – (F Ab C Eb ) で、G# – G# – Ab は同じ音で3つのコードの共通音です。それぞれの M3rd、+5th , m3 です。これでEmaj7になった理由、C+7の理由がわかると思います。更に隣同士のコードとはもうひとつ共通音があります。

実際のところは、元の形である(G:)のVI-7から(Ab:)のVI-7につなぐとき、F-7に向かうセカンダリー・ドミナントのC7を通常置きますが、E-7 – C7 – F-7 は良くないですね(直接的な転調ではありえますが、転調感をできるだけなくしたい)。それで E-7の3度と7度を上げて(Picardy 3rd)F-7に近づけた。C7の5度も上げて、3つのコードの共通音をF-7の重要な音である3度につなげた、といったところだと思います。

ジャズ進行はほとんどが4度進行なので、私は Ti Mi La Re Sol Do Fa と、コード進行もよくソルフェージュで覚えます。 それで4度進行以外のところは理論で覚えます。
この曲の場合は、La Re Sol Do Fa=Ra Re Sol Do=La Re Sol Do Fa ———-という感じです。
ダイアトニック4thサイクルなので、そのままLa=VI-7 Re=II-7 —–なので分かりやすいです。
この曲は頻繁に転調しているのにあまり違和感がありません。それはピボット・コードなどを使って転調箇所をきれいにつないでいるからです。

Q:
24小節目のC7+の表記についてですが、C7b13と構成音が同じだと
思うのですが、C7b13ではなく、C7+と表記しているのは何か理由がありますか?

A:
C7(b13)とした譜面も見たことがあるような気がします。C7(b13)の(b13)は上位構造のテンションであり、コード音としては完全5度の音も含まれます。一方、C+7の +5thの音はコード音で、完全5度の音は含まれません。C+7とすることで、3つのコードをつなぐという明確なVoice Leadの意図がみられます。