絨緞スピーカーの第5作目を作りました。
ソフト・エンクロージャー・スピーカーである絨緞スピーカーはスピーカーの裏側から出る音と前面の音との干渉が殆どないためクリアな音質で、音源によってはあたかもそこで演奏が行われているような臨場感があります。
どの位置で聞いても楽器の位置(定位)がよくわかり、音質も変わりません。かなり生音に近い音です。
8cm と10cmのスピーカーユニット(第3作目と4作目)の2台を2部屋で切り替えて使っていたが、音量差がありそれを解消するために10cmのユニットを新しく作ることにした。
4作目のフォステックスの FE103En がかなり良かったので、その最新版FE103NVで5作目を作った。その過程を公開します。
絨緞を巻く過程は写真にないが、
① 絨緞は2畳(江戸間176×176cm、約2500円)カーペットをカッターナイフで2等分する。
② 絨緞を巻くときは、塩ビ管(VU100、外形114mm×1m、約600円)を芯にしてシリコーン・シーラントをたっぷりと付けながら(約3本/2台、約1,000円)しっかりと巻いていく。
第1,2作目では木工用ボンドを使っていいたが、丸めた絨緞が折れやすいので柔らかく弾力性のあるシリコーンシーラントを使用した。お勧め。
③ スピーカーを取り付けるバッフル(右下)はMDF材を電動糸鋸などで加工する。ホームセンターなどの工作室で電動糸鋸が使用できるところもあるので利用するといい。外形は先程巻いた絨緞の外形寸法、内径は使用するスピーカーに表示がある。
④ スピーカー保護のグリルカバー(上、1,500円/2個)を付ければ安心。外形がピッタリ合ったので5インチ用を使用した。
⑤ スピーカーユニット、フォステックスFE103NV(左下、約6,000円/台)
⑥ 絨緞の下部を開放にするための土台を作成。内径は絨緞を巻いた塩ビパイプの外径(114mm)、土台の外径は絨緞の外形よりも大きくとる。透明ラッカースプレーで塗装。写真のように3点でピンポイントの接地ができるように6角コーチというネジ釘(9mm×75mm、約150円/本)を使用した。ネジの長さを調節することでスピーカーの垂直が保たれる。
⑦ 一晩置いてシーラントがしっかりと固まったら、絨緞上部にシリコンを流し込み、バッフルがしっかりと密着できるようにする。
⑧ 内側は塩ビパイプを外側はクリアファイルを巻いてゴムバンドで固定する。この材料の場合、剥離用の油など塗らなくてもきれいにシリコンは剥がれる。
⑨ フィギュアの型取りに使うシリコンが手に入るのでそれを使用する。 (1kg、硬化剤付、3000円)
⑩ 今回4〜5年前に使った残りを使用したので、少し硬化が進んでいて流し込めなかったが、新しいものではきれいに流し込める。
⑪ 硬化が進んでいて表面が凸凹になったのでカッターナイフで平坦にした。新しいシリコンでは、絨緞にいくらでも染み込んでいくので2回に分けて流し込むといい。
⑫ 絨緞の下部も上部同様にシリコンで固める。
⑬ 先ず下部から、絨緞を巻くときに使ったシリコンシーラントで接着する。
⑭ スピーカーをバッフルに取り付ける。
⑮ バッフルを絨緞に接着する前にスピーカーコードをハンダ付けすることを忘れないように。
⑯ 絨緞を巻くときに使ったシリコンシーラントでバッフルを接着する。
⑰ 接着が乾いたら、六角コーチを取り付けて垂直になるように調整する。
⑱ 完成です。