ボサノヴァ & ジャズ アナライズ集

A4版 (210 × 297) 130ページ   ISBN 978-4-9907575-2-6

 定価(本体 2,500円+税)

新刊   (2019年12月16日初版発刊)

はじめに

本書は中・上級者向けに書いており、ジャズ理論の基礎的なことは省いています。ほとんどの理論書に理論の基礎は載っているため、この本の読者には必要ないと考えたからです。

上級者向けではありますが、アナライズに関係した理論の説明を処々ラインで囲んで挿入しているので、初級者でも一般ジャズ理論書と併せて読むことで理解できると思います。

本書はウェブサイト(unojazz.com)に連載したものを中心に、新しいアナライズを追加し、再編集してまとめたものです。編集にあたっては、ウェブサイトとの差別化を図るために、曲数を増やすだけでなく、分かり難い箇所は理解し易いように書き直すと共に、譜面などもより見やすいように再編集しています。アナライズ本として、関連するジャズ理論についても、モード・ジャズなどあまり日本で紹介されていないものを中心に掲載しています。

アナライズのホームページへの連載は、元々、SNS(mixi)で話題に上がったDolphin Dance のアナライズをBerkleeの講義ノートを元に掲載したのがはじまりです。その後、イヤ・トレーニング本である「ジャズ・ソルフェージュ」の出版を機に、それを広めるため、ホームページへのアクセスを増やす目的で、特に難しいアナライズの曲を中心に増やしていきました。

その後、A. C. ジョビン の曲がアナライズできないと言う声を聞き、それに挑戦しました。

今回、アナライズのボリュームがかなりの量となり、書籍として残しておきたいと思い、この本を出版することにしました。

曲のアナライズというのは、必ずしも誰もが同じアナライズをするとは限りません。大事なのはその論理的思考が正しいかどうかであって、アナライズが違うことがあってもいい  ―  昔、音楽は数学の一部と考えられていた時代がありました。曲のアナライズは数学の証明とよく似ていて複数の証明方法が存在してもいいと思います。

本書のアナライズは、Berklee College of Music での講義内容がベースとなっています。一部、Berkleeで教えていない項目もありますが、それらは出典を記載しています。

このアナライズを読んで自分の考えと違うという読者も多分おられると思います。本書のアナライズに疑問や質問などがある場合は、曲ごとにディスカッションができるようなサイトを考えています。ぜひウェブサイト(unojazz.com)にご投稿ください。

ジャズということもあり、音楽用語はほとんどが英語での表記となっています。この種の文章を書くときにいつも悩むのが、英語表記かカタカナ表記かという選択です。同じ言葉であっても曲によってカタカナで表記したり英語であったりと統一できていません。これは英語の方が意味が分かりやすいと思う一方、読みにくいかな?と常に葛藤していた結果で、英語、カタカナが混在しています。また、一部の用語の説明で別の曲に同じ説明が入っていることもあります。これらは、どこから読んでもいいように編集ではあえて統一しませんでした。

第1部はA.C.ジョビンのボサノヴァを作曲年順に、第2部は興味深いジャズ曲を作曲年順に、最後はモード・ジャズを理解するためにクラシックから E. サティ のジムノペディ#1 をアナライズしています。曲によっては最高18ページを割いており、全体的にかなり濃い内容になっていると自負します。

本書の曲順はアナライズをした順序でも難易度順でもないので、興味のある曲や易しそうな曲から順に読まれることをお勧めします。初回に理解できなくても、あとの方に同様のアナライズ例で丁寧な説明がある場合もあります。

曲のアナライズはその曲を正しく理解するためだけでなく、実際のインプロヴィゼーションに必要な作業でもあります。また、作曲に於いては多くのアイデアの元ともなります。

本書が読者のジャズライフのお役に立てば幸いです。