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移調楽器(Tp , Sax など)における12音移動ド

(ジャズソルフェージュFaceBook 2016/09/20投稿)

移調楽器で移動ドをするには、初めは複雑に感じます。しかし、実際は移動ドに最適な楽器かもしれません。通常はコンサート・キーでの実音のことは考える必要はないです。

楽器で「ファ#」の運指とか「ソ」の運指とか固定ドで覚えた人は「F#」の運指、「G」の運指というアルファベットの音名に直してください。クラシック畑の人はドイツ式の音名「Fis」や「G」がいいかもしれません。
あとは、Fのスケールは、Fから始まる「ドレミファソラシド」という風に、12の音階が吹ければいいだけです。この時、ソルフェージュとアルファベットの音名(F G A・・・)との関係を覚えてください。この場合の音名とは移調楽器での音名です。

音名は、Fキーの場合は「F G A Bb C D E F 」ですが、メロディック・マイナーの場合は3度の「A」を半音下げる。ハーモニック・マイナーでは6度の「D」も半音下げるという運指になるので理論的にも分かりやすいです。この方法は、Do-based minorといい、全てのモードにも使うことができます。(例えば、F Dorianでは3度の「A」と7度の「E」を半音下げる)

理論的に分かりやすいということだけでなく、メロディーをイメージしやすくなるという利点があります。
移調楽器用の譜面を見て初見で演奏する場合は、アルファベットの音名で運指することになりますが、慣れてくると音名など考えなくても楽譜と運指が直結して演奏できるようになるので問題はないと思います。

このように譜面は移動ドで読まなくても演奏できると思いますが、余裕があれば移動ドで読んでみてください。メロディーの意味がつかみやすくなり、覚えやすくなります。
譜面を移動ドで読めるようになれば、コンサート・キーの譜面でも、また別のキーで演奏することも簡単になります。

初めからコンサート・キーで運指を覚えるという方法もありますが、今度は移調楽器用の譜面を読む時に苦労することになります。
移調楽器で「ジャズソルフェージュ」の読者が少ないように感じるので書いてみました。

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絶対音感のピアニスト

(ジャズソルフェージュFaceBook2016/12/26投稿)

 

子供の時からクラシックピアノを習っていて、大人になってからジャズを始める絶対音感を持ったピアニストは多い。その場合の移動ド・ソルフェージュについて最近考える。自分に絶対音感がないので、直接聞くしかない。

彼らに共通している傾向は、固定ド唱法を使っているので、移動ドに対する違和感が大きい。知っている曲が別のキーで演奏されると気持ちが悪い。音の聞き取りが簡単にできる。訓練しているので、移動ドを使わなくても移調もできる。楽譜が目の前に無いと不安。何も今更、移動ドを練習して相対音感を身につける必要がない。というような人が多いと思う。

移動ドが嫌いな人には何人か会ったが、絶対音感も相対音感もどちらも身につけた人もいる。理想的である。

ジャズであっても、絶対音感だけのプロ・ピアニストもいるようだし、彼らには移動ドは必要ないのか? いや、彼らが移動ドも身につけたら、すごいことになる。

時折、絶対音感だけの人は音楽の聴こえ方、感じ方が相対音感だけの人と違っているのでは、と思うことがある。

クラシックの世界では、歴代の大作曲家の中に相対音感のない人はいない。しかし、絶対音感のない人は何人もいたということだが、演奏家はどうなんだろう?

クラシックの演奏は何に忠実であるべきか?と考えた時、一つの答えは作曲家の意図や意思に忠実というのがある。その場合、聴こえ方が違うのであれば、相対音感の作曲家の曲が絶対音感の演奏家で忠実に再現できるのだろうか?
ジャズにおいても、絶対音感だけの演奏者の音楽は、絶対音感のない聴衆や共演者に正しく伝わるのだろうか?

The answer is blowin’ in the wind.

移動ド・ソルフェージュを宣伝するため書いてみた。
コメントがもらえたらうれしいです。

R.U.

絶対音感」と言うので何か凄く特別感がありますが、音の絶対値がわかる能力で、左利きをぎっちょと言うのと同じです。

僕は絶対音感ですが、相対音感も身につけました。

甲陽ではもちろん相対音感で教えています。
生徒の中にはヤマハなどで固定ド唱法を叩き込まれて
「できませーん」
と言われますが、自分を例にして、移動ドは後からでも身につくし、できないと言うのは思い込みによる部分が大きいと感じます。

絶対音感は感覚的なものですが、相対音感は理論的かと思います!

A:
そうですね。できないというのは思い込みの面もあるでしょうね。
絶対音感があっても固定ド唱法さえやっていなかったら移動ドはもっと抵抗なく受け入れられると思うのですが。Aをラではなくミと言ったりするのが気持ち悪いらしいです。
I.U.
 貴著を購入させていただいて、現在、移動ド・ソルフェージュに少しずつ慣れていっているところです。
これまで固定ド以外の読み方を考えたことすらありませんでした。楽器はギターなので、移動ドの方が理解しやすく感じ、また絶対音感も持ち合わせていないので、移動ド・ソルフェージュのメソッドは自分向きかなと思います。
まだまだ初心者ですので、時間をかけてゆっくり理解し、マスターしていきたいです。
A:
ソルフェージュは使っていると段々と面白くなっていきますよ。続けることが一番大切です。
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錯聴と音楽 / ソルフェージュでは何故、声に出して歌うか

錯聴と音楽

錯視とは実際とは違って見えることだが、これは生きるために長い間かかって獲得してきた脳の能力の裏返しといえる。
視野検査というのがあって、仕事で関わったことがある。視野が欠けていないかをみる検査だが、正常な検査結果でも必ず見えていない部分がある。視神経が一箇所に集まる部分、盲点である。脳はこの部分を脳内処理で補っている。脳は網膜に映った平面画像をも脳内処理で立体画像にしている。目からの情報が大きなエネルギーを消耗する所以でもある。

錯視ほど認知はないが、錯聴という現象も報告されている。
パーティーなどで、どんなに周りがうるさくても相手のことが聞き取れる「カクテルパーティー現象」は錯聴の典型例である。聞きたくないことが聞こえない「勝手耳」は聞こえないフリをしているだけだが、長年言われ続けると本当に聞こえなくなったりする便利な能力でもある。気にすれば聞こえ、気にしなければ聞こえない、ということは日常生活でもよく体験することで、これは耳から入ってきた音が大脳で処理されて聞こえていることを意味する。

音楽については、音楽耳を持った人とそうでない人は聞こえ方が違うはずである。音が分かるとか理解が違うだけという考えもあると思うが、昔良く聞いたCDを今聞き返してみると違うCDのように新鮮に感じたりする。絶対音感の人と相対音感の人でも違うはず。そう考えてみると、音楽的に耳が進化すればするほど、その人が作る音楽はそれを聞く大衆とはだんだん離れていくのではという考えが浮かんでくる。しかし、進化しないとつまらない音楽しかできないのも事実である。

ソルフェージュでは何故、声に出して歌うか

音が聞こえるまでに脳内処理がされていて、人によって、または状況によって聞こえ方が多少なりとも違っているということを書いた。こういう能力は、視覚の場合と異なり、その人が生まれてから獲得してきたものであろう。

イヤー・トレーニングの授業で試験があるが、どうしても2音のインターバルが聞き取れない。楽譜ソフトでたくさんのインターバルを作り、聞き取る練習を必死でした。パーフェクトと自信をもって試験に臨んだが結果は惨憺たるものだった。その原因は楽譜ソフトのピアノ音源と教室のデジタルピアノの音色がまったく違っていたからであった。その時、インターバルよりもサウンドの違いでインターバルを覚えていたのかと気がついた。

CDを聞くだけで、または音当てをするだけでゲーム感覚で音感が身につく、というような教材があるとする。それらは自分の実力を試すには使えるかもしれない。しかし、何回か再生して当たるようになったとしても、他の音源ではどうだろうか? ある程度の効果はあるかもしれないが、上のような理由で、効率の良い方法とは思えない。

自分の楽器ではピッチが分かっても、自分が演奏したことのない楽器のそれは分かり難い。多分、多くの人は、音が低い上にやたらと倍音が多いベースのピッチは分かり辛いであろう。私自身サックスの音は聴き取りにくい。

どうしたらいいのだろうか? 自分の楽器で同じことをプレイしてみるのが分かりやすいかもしれないが、いつもそれがあるとは限らない。
同じ音を自分の声で歌ってみることは手軽で、いつでも身近なリファレンスとなる。ソルフェージュで歌うことを続けていると頭の中で無音で歌うことにも慣れて、更には、時間がかかると思うけど、ソルフェージュで聞こえてくることも可能となる。

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スケールの発声等は録音をした後に楽器等でチェックしていく方法で宜しいでしょうか?

(2016.07.14 Face bookからのコピー)

A:
97ページにあるように、完全に歌えるスケールをスケールの途中から歌い、同じことをハミングでうたう。
次にハミングと同じ音階でDoから歌うという方法を薦めます。
例えば、ドリアンの場合は「Re , Mi , Fa , Sol , La , Ti , Do , Re 」と歌い、「ハミング」、
同じ音階で「 Do , Re , Me ,Fa , Sol , La , Te , Do」と歌います。
この方法は楽器がなくてもどこでも練習ができます。
半音が十分にコントロールできるようなら、Doから歌った後楽器でチェックするだけでいいでしょう。
録音をしてみるのもいいかもしれませんが、あまり効率的ではないように思います。

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ベースラインも移動ドでとらえるのか?

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Q:
ピボットの項目についての質疑応答を拝見しました。
メロディだけでなくコード進行も移動Doでとらえるとのことですが、ベースラインもそのようにお考えでしょうか?

Dm7 G7のツーファイブでD A G D というラインがあったとします。移動DoでとらえるとRe La Sol Re となります。
しかしベースラインを考えるとき各コードのルート、三度、五度と認識しているので、移動Doでやるとその関係性が見えにくくなる気がしています。各コードごとに移動Doでとらえるとわかりやすいのですが、それだとコードごとに転調してしまうので忙しないです。ご意見をお聞かせください。

A:
質問は「ベースラインも移動ドでとらえるのか」ということですが、それはベースラインをどのように考えるかによって変わってくると思います。
ベースを完全なリズム楽器と考え、使う音はコード音とその経過音、というコンセプトのラインの場合は確かにそのとおりかもしれません。(この場合でも慣れてくると、Re La Sol Reは IIコードのルートとP5th、VコードのルートとP5thという感じにとらえられると思います。)

「ベースラインは音楽の最低部のメロディーラインである」とバークリーでは教えられましたが、私もそう思っています。メロディーであるから当然移動ドでとらえます。

Q:
たしかに私はベースはリズム楽器で、コード音を四分音符に配置する機械的な作業だと思っていました。
しかし最低部のメロディーラインであると考えると納得しました。

A:
ベースラインは音楽の最低部のメロディーではありますが、ベースは重要なリズム楽器としての役割もあります。また、即興演奏するときにキーの主音をDoと歌うと同時にコードのルートをDoと考える(コードの何度の音かを考える)こともするように、ベースラインにおいてもコードの何度の音かを認識することは重要です。
最初はコードのルートをDoとする考えで始め、それがメロディーとしても歌えれるようになればいいと思います。

Q:
ということはキーの主音のDo、コードの主音のDo、少なくともふたつの移動Doを同時に認識している状態であるということでしょうか?

A:
コードに関してはコードネームが分かればコードのルートをDoとする歌い方とその絶対音は分かるし変わらないので難しく考えることはないです。例えばKey of FでBbmaj7がある場合、移動ドで Fa La Do Mi ですが、コードの構成を考えた場合はDo Mi Sol Ti でもあるということです。Doからコードが歌えて、例えばBbmaj7 の Do = Bb, Mi =D, Sol =F, Ti =A を理解していれば、問題無いです。

スケールの場合も概ねコードの場合と同じに考えていいと思います。
初めはドリアンはReから歌うことから始め、それが充分に慣れた後、Doから歌う練習をしてください。
「ジャズソルフェージュ」は全てのスケールをDoから歌っていますが、これは慣れるまで時間がかかります。
Doから歌うことによって音楽理論がより理解しやすくなると思います。

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ブルースの歌い方

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Q:
ブルースはドミナントコードを基調にしていますが、これはトニックとして捉えるべきなのでしょうか。
あるいは、Iに行くV7コードとして考えるべきなのでしょうか。
それによりドレミの歌い方も自ずと変わると思いますが、いかがでしょうか?

A:
ブルースコードは、I7(トニック)とかIV7(サブドミナント)であり、それはドミナントコード(V7)ではありません。
例えば、FブルースではF7から始まっていてもそれは I7で(調はF)、FをDoと歌います。
ブルースは黒人がアフリカから持ってきたマイナーペンタトニックのメロディーとアメリカで出会ったメジャー・コードが合わさって生まれた特殊な音楽で、そういうコードが生まれました。

(追加説明)Do  Me  Fa  Sol  Te ( 1 , b3 , 4 , 5 , b7 )というマイナー・ペンタトニックのメロディーが Do , Mi , Sol ( 1 , 3 , 5 )のメジャーコード上で歌われ、Do , Mi , Sol , Te ( 1 , 3 , 5 , b7 )というセブンス・コードが生まれたと考えられています。同様にIV7は、Fa , La , Do の上にマイナー・ペンタトニックの Me が加わりました。

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知っている曲をソルフェージュで歌う

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Q:
練習時の音の感じ方について、以前にも似たようなことをお聞きしたのですが、転調や苦手な音程を歌うときがうまくいかず、キーに対するDoの響きと前の音からの度数関係を意識できた方が良いとおっしゃっていたかと思うのですが、やっぱりなかなかできず、色々と思考錯誤しているのですが、まずは歌詞で歌う時のように流れで覚えてしまってもいいのでしょうか?

例えば、良く知っている曲なら音程を意識しなくてもある程度歌えるかと思うのですが、歌詞で歌うときのような感じで流れを覚えてしまって、それを移動ドの階名で歌いこみ(この段階では単に歌詞を階名に置き換えただけで、音程は意識していない状態)、そして覚えたら各音程を細かく意識していくという方法はどう思われますか?

音程を無視して流れで歌うのはあまりよくないと思われますか?
理想を高く持って最初から全てを意識して…という意気込みでやっていたのですが負荷が高すぎてすぐに嫌になってしまいます(苦笑)。
初心者〜上級者になる過程で具体的にどのような意識、感じ方、または練習方法をしていけばいいのでしょうか?
ご自身の経験からこんな風だったというのを教えて頂ければ大変助かります。

A:
ソルフェージュの原理は、音の高さを言葉に置き換えてそれを覚え込み、そのあと言葉を歌うことで音の高さを再生する。ということなのですが、ダイアトニックな7つの音の間の上行のインターバルだけでもことば(ソルフェージュ)との関係は40ほどになります。臨時記号が入った12音ソルフェージュでは、フラット系とシャープ系、更に下行も入れると大変な数になります。これらを全て数年でマスターするのは相当な努力が必要です。

苦手な音程とはあまり使わない音程だと思います。使っていない音程はあまり練習していないということなので困難なのは当然です。転調はかなり難しいです。 しかし、よく出てくるインターバルや Me とか Te のソルフェージュは結構早く歌えるようになったのではないかと思います。

よく知っている曲を音程を意識せずに階名で歌うということですが、基本的にはそれでいいと思います。しかし、練習の基本である「ゆっくりから始める」場合は、意識もできると思います。私が思う意識とは、前の音とのインターバルが何度とかいうことではなく(最初はそれも必要だが、慣れてくると何と何の間のインターバルは何度かということは覚えてしまう)、何の音からスタートしているとか、どの音からどの音に向かっているとかのメロディーの構造のことです。「ソルフェージュで歌うことはメロディーをアナライズしていることになる。」ということを言っています。

私の場合、曲を練習する時は知っている曲も全てソルフェージュで歌って覚えることからスタートします。その時改めてメロディーの構造で新しい発見をすることがよくあります。知っている曲をソルフェージュで歌い直すことで、効率よくいろいろなインターバルを歌い込むことができ、曲も正確に覚えられます。

ソルフェージュを始めて、効果を感じているという報告を少しずつ頂いています。
半年されて効果を感じておられるなら、後はあまり焦らずに数をこなすことだと思います。あるとき今までできなかったことが急にできるようになっている、そういう自分を発見した時の喜びをたくさん経験してください。

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「転調を歌う」ーAll the things you are のアナライズ

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Q:
今日から転調の項をやり始めました。
103ページのAll the things you areについてですが、5小節目からのDbmaj7-Dm7-G7というところで転調はDm7のところから始まっていると思うのですが、ソルフェージュは2拍先行してDbmajの3拍目から転調先のキーで歌っていますが、先行しているのはなぜでしょうか?

他の曲でもメロディーが休符なしで続いてる場合は転調先を先行して歌うのでしょうか?
また、21小節目のGの関係マイナーであるEmに・・・という説明がよくわからなかったのですが・・・
こちらの本ではマイナーに転調した場合にはマイナーキーのⅠの音をDoとして(この場合EをDo)読む方法を勧めていたかと思うのですが、ここではGをDoで歌うのはなぜでしょうか?

最期に前回の質問で曲をソルフェージュで覚えるとおっしゃていたかと思うのですが、コード進行もソルフェージュで覚えるのでしょうか?
その場合はどのように覚えるのでしょうか?
まずはルートをソルフェージュで追って、ルートをDoとして歌うチャプター6の方法で覚えるという方法ですか?

A:
最初の転調はジャズに多いピボット・コードPivot chordを使った転調です。ピボット・コードとは元のキーと新しいキー共通のコードで、2つの機能をもっています。ここのDbmaj7 はピボット・コードで、 Abキー(以下(Ab:)と略します)のIVmaj7と (C:)の bIImaj7の2つの機能をもっています。

( bIImaj7 は、ナポリタン・コードといわれるもので、18世紀のイタリアのオペラの作曲家が好んで使いました。ドミナントコードの前に置いて終止形を華やかにする効果があります。ジャズでは bIImaj7 – II-7 – V7 という形で多く見られます。)

9小節目の C-7 もPivot chord です。Cmaj7 がモードが変わって C-7 ( I-7 )になり、次の(Eb:)のVI-7 という2つの機能をもっています。

F#-7(b5) – B7 – Emaj7 – C+7 – F-7 の項は (E:)に転調したとも考えられますが、B7まではマイナーコードに向かうII-7 – V7 なので E-7に向かおうとしてた訳ですね。E-7は (G:)のVI-7なので、ここは転調していないと考えることもできます。E-7はピカルディーの3度Picardy 3rdでメジャーに変わったと考えられます。

(Picardy 3rd とはクラシック音楽の伝統で、マイナー・キーの曲が最後にメジャーで終わることをいいます。Cole Porterが好んで使っています。例:What is this thing called love? ジャズではそのイミテーションでマイナー・コードがメジャー・コードに変わることもあります。)

ここで E-7 が Emaj7 に変わったのは、モードを変える以外に大きな意図があります。それは(G:)から(Ab:)への転調をスムースに移行させるためだったと考えられます。ボイス・リーディングVoice Leadingを使った転調で巧妙にできています。
Emaj7 – C+7 – F-7 の構成音は (E G# B D# ) – (C E G# Bb ) – (F Ab C Eb ) で、G# – G# – Ab は同じ音で3つのコードの共通音です。それぞれの M3rd、+5th , m3 です。これでEmaj7になった理由、C+7の理由がわかると思います。更に隣同士のコードとはもうひとつ共通音があります。

実際のところは、元の形である(G:)のVI-7から(Ab:)のVI-7につなぐとき、F-7に向かうセカンダリー・ドミナントのC7を通常置きますが、E-7 – C7 – F-7 は良くないですね(直接的な転調ではありえますが、転調感をできるだけなくしたい)。それで E-7の3度と7度を上げて(Picardy 3rd)F-7に近づけた。C7の5度も上げて、3つのコードの共通音をF-7の重要な音である3度につなげた、といったところだと思います。

ジャズ進行はほとんどが4度進行なので、私は Ti Mi La Re Sol Do Fa と、コード進行もよくソルフェージュで覚えます。 それで4度進行以外のところは理論で覚えます。
この曲の場合は、La Re Sol Do Fa=Ra Re Sol Do=La Re Sol Do Fa ———-という感じです。
ダイアトニック4thサイクルなので、そのままLa=VI-7 Re=II-7 —–なので分かりやすいです。
この曲は頻繁に転調しているのにあまり違和感がありません。それはピボット・コードなどを使って転調箇所をきれいにつないでいるからです。

Q:
24小節目のC7+の表記についてですが、C7b13と構成音が同じだと
思うのですが、C7b13ではなく、C7+と表記しているのは何か理由がありますか?

A:
C7(b13)とした譜面も見たことがあるような気がします。C7(b13)の(b13)は上位構造のテンションであり、コード音としては完全5度の音も含まれます。一方、C+7の +5thの音はコード音で、完全5度の音は含まれません。C+7とすることで、3つのコードをつなぐという明確なVoice Leadの意図がみられます。

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練習方法について

(サポート・ページからのコピー)
Q:
また、質問があり投稿させていただきます。
引き続きジャズソルフェージュ使って練習しており、じわじわ効果も出てきております。
ふと気になったのですが、この本を使ってどのようなレッスンをされているのでしょうか?
私はこの本に書かれているように歌ってから楽器で確認、またはチューナーを見ながら歌ったりしておりますが、もう少し具体的なレッスン方法を教えていただけないでしょうか?
例えば間違った場合はどのように訂正するのか、なかなか歌えない音はどのように克服させるか等々。
また、教えている中でこんな風にしたら生徒の成長が早くなった等のことがあれば教えてください。

A:
ジャズ・ソルフェージュ の効果が出てきているとのこと、良かったです。
「ジャズソルフェージュ」の本を使ってどのようなレッスンをしているかというお問合せですが、ソルフェージュのレッスンはあまり行っていません。当レッスンでは、生徒にもよりますが、ジャズ理論と実技を同時に行っているので、それだけで2時間近くを使ってしまいます。ソルフェージュをやっている時間が取れないので、自分でできるように本を作ったという訳です。
ただ、ソルフェージュはレッスン時のコミュニケーションのツールとしてはよく使います。新しい曲をする時は必ずソルフェージュでテーマを覚えるようにいいます。その後、ベースの場合であればテーマを歌いながらラインを弾いたりします。自分の楽器に合った練習方法を考えるのも大事なことです。

なかなか歌えない音は、歌ってから楽器で確認を繰り返すことで必ず徐々にでも近づいていくので、あまり焦らないことです。間違って覚えてしまった場合は、それを消し去るための余分の練習時間が必要になります。

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歌うときのインターバルの意識

Q:
歌うときの意識についてですが、インターバルについてはプロの方は常に意識して歌っているのでしょうか?
個人的にはDo,Mi,Solと歌う場合、Do⇒M3度上⇒Mi⇒m3度上⇒Solと歌うよりは単純にキーのDoの響き⇒Miの響き⇒Solの響きと歌う方がスームーズに歌えます(伝わりますでしょうか?)。
現状インターバルについては特に後者のような響きだけで歌うのが難しいフレーズのときにだけサポートとして意識しているのみなのですが、常に意識したほうがいいですか?
早いフレーズとかになるといちいちインターバルを意識するのが難しいのですが、プロの方はどういった意識で歌われているのかが気になりました。
また、瞬時にインターバル関係が出てこないというのもあるのですが、これは覚えこませるしかないですよね・・・

A:
Doからのインターバル、各音間のインターバルのどちらも意識された方がいいと思います。
Do,Mi,Solと歌う場合、キーのDoの響き⇒Miの響き⇒Solの響きと歌う訳(つまりDoからのインターバル)ですが、DoからM3度上、Miからm3度上と知っていて感じていれば問題ないと思います。
12音でのインターバル関係は少しずつ覚えていけばギターやベースを弾く場合の効率的なポジション関係にも役に立つのではないかと思います。