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練習方法について

(サポート・ページからのコピー)
Q:
また、質問があり投稿させていただきます。
引き続きジャズソルフェージュ使って練習しており、じわじわ効果も出てきております。
ふと気になったのですが、この本を使ってどのようなレッスンをされているのでしょうか?
私はこの本に書かれているように歌ってから楽器で確認、またはチューナーを見ながら歌ったりしておりますが、もう少し具体的なレッスン方法を教えていただけないでしょうか?
例えば間違った場合はどのように訂正するのか、なかなか歌えない音はどのように克服させるか等々。
また、教えている中でこんな風にしたら生徒の成長が早くなった等のことがあれば教えてください。

A:
ジャズ・ソルフェージュ の効果が出てきているとのこと、良かったです。
「ジャズソルフェージュ」の本を使ってどのようなレッスンをしているかというお問合せですが、ソルフェージュのレッスンはあまり行っていません。当レッスンでは、生徒にもよりますが、ジャズ理論と実技を同時に行っているので、それだけで2時間近くを使ってしまいます。ソルフェージュをやっている時間が取れないので、自分でできるように本を作ったという訳です。
ただ、ソルフェージュはレッスン時のコミュニケーションのツールとしてはよく使います。新しい曲をする時は必ずソルフェージュでテーマを覚えるようにいいます。その後、ベースの場合であればテーマを歌いながらラインを弾いたりします。自分の楽器に合った練習方法を考えるのも大事なことです。

なかなか歌えない音は、歌ってから楽器で確認を繰り返すことで必ず徐々にでも近づいていくので、あまり焦らないことです。間違って覚えてしまった場合は、それを消し去るための余分の練習時間が必要になります。

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歌うときのインターバルの意識

Q:
歌うときの意識についてですが、インターバルについてはプロの方は常に意識して歌っているのでしょうか?
個人的にはDo,Mi,Solと歌う場合、Do⇒M3度上⇒Mi⇒m3度上⇒Solと歌うよりは単純にキーのDoの響き⇒Miの響き⇒Solの響きと歌う方がスームーズに歌えます(伝わりますでしょうか?)。
現状インターバルについては特に後者のような響きだけで歌うのが難しいフレーズのときにだけサポートとして意識しているのみなのですが、常に意識したほうがいいですか?
早いフレーズとかになるといちいちインターバルを意識するのが難しいのですが、プロの方はどういった意識で歌われているのかが気になりました。
また、瞬時にインターバル関係が出てこないというのもあるのですが、これは覚えこませるしかないですよね・・・

A:
Doからのインターバル、各音間のインターバルのどちらも意識された方がいいと思います。
Do,Mi,Solと歌う場合、キーのDoの響き⇒Miの響き⇒Solの響きと歌う訳(つまりDoからのインターバル)ですが、DoからM3度上、Miからm3度上と知っていて感じていれば問題ないと思います。
12音でのインターバル関係は少しずつ覚えていけばギターやベースを弾く場合の効率的なポジション関係にも役に立つのではないかと思います。

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異名同音enharmonic の歌い分け

 

Q:
この本では実音が同じものでも唱い方が異なるものは章を分けて解説されておりますが(MeとRi等)、理由があるのでしょうか?
スケール等の定義を説明するためでしょうか?
たとえば、メロディックマイナーであれば普通3度がフラットしていると考え、2度がシャープしてたとは考えないのでそれを説明するためでしょうか?

ソルフェージュ練習のときも意識して区別して練習したほうがいいのでしょうか?
個人的にMeという音の方が身についてる感じなので、RiとあってもMeと読み替えたりしてしまっているのですが、今後困るようなことがありますか?

A:
MeとRiは基本的に意味合いが異なります。
#で表すか♭で表すかは、次の音に上行するか下行するか、テンションの#9かブルーノートのb3かなどで変わってきます。
ソルフェージュで歌うことはメロディーのアナライズになるという一面でもあります。
印刷された譜面の中には稀に♭と#の表記が相応しくないものもあります。そういう場合は直して歌われるといいでしょう。

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練習時間について

Q:
先日ジャズソルフィージュの本を購入させていただき、、その体系的・実践的内容に「これだ」と思いました。

チャプター2の14ページをウロウロしているのですが、一日30分では足りないでしょうか?

毎日、どのくらい練習するものなのでしょうか?
もちろんたくさん練習すればするほどよい、ということなのでしょうが、目安が知りたいです。

このページが完璧にできるまでは先へ進むべきではないでしょうか?
トップダウン方式で先へ進んでいるうちに、このページもできるようになる、ということはないのでしょうか?

A:
ご質問の練習時間の目安ですが、音楽歴などの個人差が大きくて数字として出すのは難しいです。
当たり前のことですが、たくさん練習したほうが早くできるようになることは事実です。
こんな回答では当然ご不満と思いますので、もう少し有用な回答を書きます。

音楽練習全般に言えることですが、音楽能力の習得は英語などの習得とは明らかに違うと感じます。
これは私自身の経験であって、一般的に認知されていないと思うので本には載せていません。
一部のミュージシャンの賛同は得ました(下の2)が、大脳生理学的にも推測の域を出ていません。

1)少しずつダラダラと練習してもほとんど進歩しないということ。
(練習時間を合計してもそれに見合った進歩は得られないです。)

2)一定の閾値(個人差有)以上の練習をすると、ある時急に上達していることに気がつく。
(ある時、急に上達します。階段状に上達するので1. の人との差はどんどん開いていきます。ほとんどのミュージシャンは人生の一時期、「死ぬほど練習」を経験しています。)

3)練習結果が現れるのに1週間以上かかる。
(大脳の海馬に一時蓄えられたものが一定期間後に大脳の各所に運ばれネットワークを形成する、と考えられているようです。)

以上のことを考えると、練習は、練習時間を決めないで、練習できる時は何時間でもやる。
ソルフェージュは楽器がなくても、声に出せなくても(サイレントシンギング)できるので、練習については工夫してください。
楽しんでやるのはもちろんです。
できない日は全くやらなくても構いません。

私の経験ですが、全く楽器練習を1週間近くしなかったのに、
再開したとき、今までできなかったことができるようになっているのを発見してうれしくなったことがあります。

完璧にできなくても前に進んで問題ありません。
ただし、また前に戻ってください。

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ジャズ ソルフェージュの音源について

現在、音源については、ウエブで聞くまたはダウンロードして利用できるようになっています。
Q:
この本に対応する音源などの アップは考えておりますでしょうか? 序章にもバークリーのレッスンは 聴くことよりも自分で唱うことに重点がおかれていた と書いておられるので、音源等はつけていないのでしょうか?

A:
自分で歌ったソルフェージュが正しいかをキーボードなどで確認する作業のため、楽器ができない人のための音源を考えています。
ただ、楽器奏者の場合は、譜面を1小節歌っては楽器で演奏することをくり返してください。この練習は頭の中でイメージしてから楽器で演奏するということに役立ちます。
試作中の音源は小節の間に無音部分を入れています。いつ出来るかお約束できませんが、聞いて譜面を見ないでソルフェージュで歌う練習(ソルフェージュで聞こえて来るかの確認)にもなります。

Q:
なるほど、私は一応楽器を弾くので、まずは教えていただいた方法で頑張っていきます。

ただ、これは私のリクエストというかわがままですが…
・階名唱で唱った音源
・楽器のみでメロディ演奏→そのメロディの階名唱
問題→解答みたいなイメージです

みたいな音源があると、楽器を持っていない時でもやったことの復習ができるので、是非作っていただけると…
っと思っております。

A:
階名唱法で歌った音源は、声楽家の方にお願いするか、または英語の得意なボーカロイドも考えたのですが、零細個人出版社にとっては難しいところがあります。

他方、その方法が本当にいいのか考えてみる必要もあります。そんなCDを付ければそればかり聞いて歌うことをしない場合も考えられます。バークリーでは階名唱法で歌った音源には出会っていません。自分で指揮をしながら歌うことが主です。

例えば Do Mi Re Fa – – -のThirds を歌うとき、頭では分かっていても、歌い慣れないと早いテンポになるとつまずいてしまいます。

楽器を持っていない時でも車の中では、メジャー・スケールさえ歌えれば、声に出していろいろなソルフェージュの練習ができます。電車で移動中の時でさえ、頭の中でソルフェージュを歌うことができます。

私は、自分で音程をコントロールして歌う練習の重要性と効果を実感していますが、できればご提案の方法も実験してみたいと思います。

Q:
なるほど…確かに聞くだけになって…というのはあるかもしれません。
実はご提案差していただいたような音源をお恥ずかしながら自分で作ったことがあるんです。
当時はいわゆるジャズリック集から引っ張ってきたもので作っててました。

その時のことを振り返ると、作っている時(能動的にやっている時)の方が身になっていたように思います。
一旦作ってしまうと、聴きはするが聞き流していたように思います。

少し個人的な悩みを書くと、この本に出会う前にも独学で視唱練習をし、現状ある程度移動ドで唱うことはできるようになってきたのですが(宇野様の本でいうと、12音のソルフェージュをマスターする章までぐらいはゆっくりなら出来る程度)、曲を聴いてもほとんど階名で理解できず…ただ、今は過渡期だと思うので、もう少し気長に続けていかないといけないことは理解しているのですが…
それで、いつでもできるようにと今回のようなリクエストをしてみました。

ただ、楽器を持たない時でも能動的にやるという考えはなかったので、その方法も試してみようと思います!

A:
なるほど、リックから作られたのですね。気持ちはよくわかるし、Good idea だと思います。ただ、リックの利用は、そのまま覚えて使うのではなく、先ずそのリックの分析をして、次にMotif developmentを使っていろいろ変化させてみます。また、それを実際のコード進行に合わせて使ってみる。いろいろなリックを覚えるより、一つのリックを徹底的に料理したほうが身になるように思います。(この過程もできればソルフェージュで)

ジャズリック集をソルフェージュで歌って出したらみんな欲しがるでしょうね。売れると思います。ですが、効果はクエスチョン?です。皆が同じフレーズを演りだしたら怖いですね。

「曲を聞いてもほとんど階名で理解できず、、、」云々のことですが、確かにはっきり分かるには時間がかかります。また、トーナル・センターとしての「ド」がはっきりと認識されない状態で聞いたり、自分の楽器以外の楽器音だったりすると難しいです。

経験上ですが、聞いて覚える場合、覚えた時の音源と違った場合は認識が難しくなるように思います。どうやら脳は音色も関連づけて記憶しているようです。そういう意味でも自分で声に出して歌うことは普遍性があります。

12音がゆっくりで歌えるなら、是非、楽器なしでソルフェージュ練習を楽しんでください。たまに楽器で確認も忘れずに。

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ソルフェージュをマスターすると間違えにくい、と曲が覚えやすい っていう理由はなんですか?(K.M.)

A:

音楽に限らず、人間は学習したことは一旦、海馬という所に保管されます。大体一週間ぐらいだったと思います。その後、記憶など学習したことは大脳の適切な場所にそれぞれ格納されます。記憶が良い悪いの違いは、それが出てくるか出てこないかの違いです。ソルフェージュは記憶するときのラベルの役割をします。ラベルを付けて整理してある記憶は容易に出てきます。曲を練習していて2〜3日なら結構覚えているけど(海馬に蓄えられている状態)、1ヶ月後には忘れているのは、厳密には忘れた訳ではなく、出てこないだけです。
間違えにくい、というのは、移動ドではソルフェージュの言葉がそのまま調における度数(Miと歌えば3度とか)やインターバル(Mi – Solと歌えば短3度上になど)を表現しているからと言えます。(2017.02.01)